探究学習という言葉を耳にしたことはありますか
先日、インターナショナルスクールと国際バカロレア(IB)の探究学習に関する記事を読みました。日本でも最近よく聞くようになった「探究学習」という言葉。でも実際にどんなものか、イメージしづらい方も多いのではないでしょうか。
私、Saoriはマレーシア・ペナンに移住して3年半。長女Hikari(2018年生まれ)と長男Zen(2020年生まれ)をインターナショナルスクールに通わせながら、この探究学習の現場を毎日のように見ています。
今日は、IBの探究学習が子どもの成長にどう影響するのか、我が家の体験を交えてお伝えします。
IBの探究学習、実は「答えのない問い」に向き合う力
IB(国際バカロレア)の特徴は、教科の枠を超えた探究学習です。例えば「水はどこから来るのか」というテーマ一つで、理科、社会、言語、芸術まで横断的に学びます。
Hikariが通う学校では、ある学期に「コミュニティ」をテーマにした探究がありました。子どもたちは「私たちの街に必要なものは何か」という問いからスタート。実際にペナンの街を歩き、商店や病院、学校の役割を調べ、最後にクラスで理想の街を模型で表現しました。
このプロセスで大切なのは、教師が答えを教えないこと。子どもたち自身が問いを立て、調べ、考え、発表する。まさに「答えのない問い」に向き合う力を育てているのです。
我が家の子どもたちに見えた変化
Hikariの場合:問いを立てる力が伸びた
Hikariが1年生の時、学校から帰るなり「ママ、どうして空は青いの?」と聞いてきました。授業で「なぜ?」を大切にする習慣が身についたのです。
最初は私も戸惑いましたが、一緒に図鑑を調べたり、簡単な実験をしたり。するとHikariは「じゃあ夕焼けはなぜ赤いの?」と次の問いを自分で見つけました。探究学習は、家庭での会話の質も変えてくれました。
Zenの場合:失敗を恐れなくなった
Zenは2020年生まれの5歳。まだ幼いですが、探究学習の影響は確かにあります。彼が作ったブロックの塔が崩れた時、「あーあ」で終わらず「どうやったら倒れないかな」と一人で考え始めました。
先生に聞くと、クラスでも「間違えても大丈夫。そこから学べばいい」という文化があるそうです。探究学習は、失敗を学びの一部と捉える姿勢を自然に育ててくれます。
日本の教育との違いは「主体性」の育み方
私自身、日本の小学校教諭免許を持っています。日本の授業ももちろん素晴らしいですが、決定的に違うのは「主体性の育み方」です。
IBの探究学習では、子どもが学びの主導権を握ります。教師はファシリテーターとして、子どもの興味を引き出し、深める手助けをする。このスタイルに最初は戸惑う親御さんも多いですが、子どもの成長を見ると納得できます。
例えば、Hikariのクラスでは「海洋プラスチック問題」を探究した学期がありました。子どもたちが自ら「ペナンのビーチはどうなっているか」と提案し、実際にビーチクリーン活動を企画。ゴミの量を記録し、学校で発表しました。
「先生に言われたからやる」ではなく、「自分たちで気づいて行動する」。この経験が、将来のグローバル社会で生きる力になるのだと実感しています。
探究学習がもたらす「お金では買えない」価値
教育移住を検討される経営者の方々からよく聞くのが「お金をかければいい教育が受けられるのか」という疑問です。
確かにインターナショナルスクールの学費はかかります。ペナンの場合、年間80〜150万円程度。日本円で考えると決して安くはありません(1MYR=40.16JPY、2026年5月28日現在)。
しかし、探究学習が育てる「自分で考え、行動する力」は、お金では買えません。この力は、将来どんな分野に進んでも必ず役に立ちます。
Hikariが最近、学校で「お年寄りに優しい街づくり」をテーマにプレゼンテーションをしました。彼女が言った一言が忘れられません。
「お年寄りが困っているのは、体が不自由だからじゃない。街にバリアがあるからだよ」
小学2年生がここまで考えられるのは、探究学習で「問題の本質を見抜く力」が育っている証拠です。
探究学習を家庭でも活かすコツ
最後に、インターナショナルスクールに通っていなくても、家庭でできる探究学習のヒントをお伝えします。
「なぜ?」を大事にする
子どもが「なぜ?」と聞いてきたら、すぐに答えを教えず「どう思う?」と聞き返してみてください。子ども自身が考える習慣がつきます。
答えを急がない
探究学習はプロセスが大切。間違ってもOK、時間がかかってもOKという姿勢で見守りましょう。
実体験を増やす
本や動画だけでなく、実際に外に出て体験することが探究の原動力になります。ペナンならではの自然や文化を活用するのもおすすめです。
教育移住を考えている方にとって、探究学習は一つの大きな判断材料になるでしょう。子どもの「知りたい」という気持ちを最大限に引き出せる環境かどうか。学校見学の際は、ぜひ授業の様子もチェックしてみてくださいね。

