1歳半の次女が教えてくれたこと
こんにちは、Saoriです。マレーシア・ペナンに移住して3年半が経ちました。
先日、次女のYukariが1歳半の誕生日を迎えました。まだ歩き始めたばかりで、言葉も「ママ」「パパ」がやっと。でも、彼女の成長を見ていると、教育移住の「本当のスタートライン」について考えさせられます。
長女Hikari(7歳)と長男Zen(5歳)は、すでにインターナショナルスクールで毎日を過ごしています。一方Yukariは、まだ保育園にも幼稚園にも通っていません。家で私と過ごす時間がほとんどです。
教育移住の「始めるタイミング」を再考する
よく「教育移住は早ければ早いほどいい」と言われます。確かに、言語習得の臨界期は3〜12歳と言われていますから、HikariとZenを連れてきたタイミングは悪くなかったと思います。
でも、Yukariを見ていて思うのは、本当の意味での「早期教育移住」とは、単に子どもを早くインターナショナルスクールに入れることではないということです。
「家族ごと」移行するプロセス
Yukariが生まれたのは2024年8月。マレーシアに来てから約1年後のことでした。彼女にとって、日本は「親の故郷」であって、自分の故郷ではありません。
日常の音は英語とマレー語と中国語が混ざったもの。空気の匂いも、食べ物も、すべてがマレーシア基準です。彼女にとって「普通」が、すでにインターナショナルな環境になっている。
これは、HikariやZenには絶対にできなかった経験です。上の2人は、日本の保育園や幼稚園で「日本語の普通」を身につけてから、マレーシアに来ました。だから、最初の半年はかなりのカルチャーショックがありました。
家系戦略としての「0歳からの教育移住」
私がYukariを通じて実感しているのは、教育移住は「子どもの教育のため」というより「家系の戦略」だということです。
華僑の方々は、教育のために都市を選びます。ユダヤの方々は、教育のために国を選びます。彼らにとって、子どもの教育は「家族の未来を作る投資」であって、「学校を探すこと」ではないのです。
Yukariに必要なのは「教育」ではなく「環境」
1歳半のYukariに、まだ何かを「教える」必要はありません。むしろ、彼女が自然に吸収する環境を整えることこそが、私たち親の役目だと感じています。
具体的には、以下の3つを意識しています。
1つ目は、家庭内の言語環境。私とは日本語、夫とは日本語、でも外に出れば英語が飛び交う。この「当たり前」が、彼女の脳に自然なバイリンガル回路を作っています。
2つ目は、多様性への免疫。ペナンには、中華系、マレー系、インド系の人々が当たり前に共存しています。Yukariは、肌の色や宗教の違いを「違和感」として認識する前に、それを「普通」として受け入れています。
3つ目は、親のネットワーク。私がペナンで築いた日本人ママ友や、現地のビジネスパートナーとの関係は、Yukariにとって将来の「社会資本」になります。
1歳半から始める「撤退ライン」の見直し
以前の記事で「教育移住の撤退ラインを決める」というテーマで書きましたが、Yukariがいるからこそ、撤退ラインの考え方も変わってきます。
HikariとZenの場合は、「日本の学校に戻れるか」という基準で撤退ラインを考えていました。でも、Yukariは日本の学校生活を経験していません。彼女にとっての「普通」はマレーシア基準です。
撤退ではなく「継続」が前提になる
これは、教育移住のリスク計算を根本から変えます。上の子だけなら「最悪、日本に戻ればいい」という逃げ道がありました。でも、下の子がマレーシアで育ってしまえば、日本に戻ることが「撤退」ではなく「新たな移住」になる。
つまり、家族全体としてのコミットメントが、より強固になるのです。
実際、私たち夫婦もYukariが生まれてから、「ペナンに家を買うか」「マレーシアの永住権を取るか」という具体的な話が増えました。上の子だけの時は、「とりあえず3年」という気持ちがあったのに、です。
最新為替情報から見る「今」の価値
2026年4月30日現在、1MYR=40.37円です。私が移住した3年半前は1MYR=26円前後でしたから、円安がさらに進んでいることがわかります。
この為替レートは、教育移住の意思決定に大きな影響を与えます。例えば、マレーシアのインターナショナルスクールの年間学費は、平均で8万〜15万MYR。日本円に換算すると、323万〜606万円になります。
一方、東京のインターナショナルスクールの平均学費は、年間250万〜400万円と言われています。マレーシアの上位校と東京のインターは、今や学費面でほぼ同等です。
円安が変える「教育移住の意味」
かつては「マレーシアは学費が安い」というのが最大のメリットでした。でも、今は違います。円安が進んだことで、単純なコストメリットは薄れています。
それでもマレーシアを選ぶ理由は、教育の質と環境のバランスにあります。東京のインターは、学費が高いだけでなく、競争も激しい。一方マレーシアのインターは、同じくらいの学費で、より多様性のある環境と、のびのびとした教育スタイルを提供してくれます。
1歳半のYukariに「投資」しているもの
最後に、Yukariへの「投資」について、具体的な数字を交えてお話しします。
彼女がインターナショナルスクールに入るのは、早くても3歳から。それまでは、私たちが家庭でできることを最大限やるつもりです。
具体的には、週に2回のプレイグループ(月謝500MYR、約20,185円)、月に1回の親子英語教室(月謝300MYR、約12,111円)、そして週末の水泳教室(月謝400MYR、約16,148円)。合わせて月約48,444円です。
東京で同じことをしようと思えば、倍以上はかかるでしょう。それに、マレーシアのプレイグループは、日本人だけでなく、現地の子や駐在員の子が混ざっています。この「自然な多文化交流」に、お金では買えない価値があると感じています。
「いつか」ではなく「今」始める理由
教育移住を検討されている方から、「子どもがもう少し大きくなってから」という言葉をよく聞きます。でも、Yukariを見ていて思うのは、「今」始めることに勝るタイミングはないということです。
1歳半の彼女は、まだ何も「学習」していません。でも、毎日、環境から学んでいます。言葉、文化、人間関係、価値観。それらは、後から「教えよう」と思っても、なかなか身につかないものです。
教育移住は、子どものためだけにするものではありません。家族全体のライフスタイルを変え、家系の未来をデザインするものです。そして、そのデザインは、子どもが小さいほど、自由度が高くなります。
Yukariが10歳になった時、彼女がどんな視点で世界を見ているのか。今から楽しみでなりません。

